更新日:2020/09/19
前回「【不妊/2人目の壁】息子1人でも幸せなのに、子どもが2人いないことに絶望してしまう」の続きです。
私たちは、予定通りもう1人の子供を作るのを終わらすことを選びました
写真はイメージです
2019年3月。
2人目不妊通院、タイムリミット最後の月。
最後の排卵促進剤。最後のタイミング法。私は40歳になっていました。
結果、妊娠はしませんでした。
生理がきたとき「やっぱりね」と思いました。
選択肢が2つ発生します。
予定通り終わらせるか、継続するか。
私たちは、予定通りもう1人の子供を作るのを終わらすことを選びました。
最後の促進剤をうつために、来院したときに伝えました。
「これが最後のチャレンジになります。妊娠しなかったら、次は来ません」
医師はただ「そうですか、わかりました」と答えました。
駅前に新しくできたクリニックでした。優しい良い女医さんでした。大変お世話になりました。
そしてその言葉は、その通りになりました。
本当にいいの?
1年に満たない(※早生まれを回避するため)2回目の不妊通院を、やめました。
積極席に子供を作ることをしない、という選択肢です。
自然妊娠はほぼありえないと思うので、子供が息子1人だけにするという事実上の決定です。
決めた、とも言えるし、諦めた、とも言えます。
ついに、切り出したくはないことをいう時がしました。
夫に「本当に終わりにする?」と確認することです。
夫はもう1人欲しがっていたよね。でもやってみてダメだったね。率直にどう思っているの? と聞いてみました。
夫はしばらく無言のあと「でも、仕方がないよね」と言いました。
仕方がないのだろうか。なにが仕方がないのだろうか。
でも、ここでもう一度頑張ろうと言われたら、きっと私は苦しかったでしょう。
どうしても、もう1人育てたいと言われたら「だって無理じゃない、妊娠するのは私なのに」と叫んでいたのではないだろうか。
「1人で十分だよ」と言っていたら「嘘つき、それに私はそうじゃない」と泣いていたのではないだろうか。
不妊で通っているあいだ、辛かった。
できたらどうしよう、できなかったらどうしよう。
妊娠できない夫が「仕方がない」以外言えたんだろうか。
もやもやとはしましたが、それ意外に欲しい言葉を探したけれど、ありませんでした。
子供は1人だけど、2人で大事に育てていこうね。
その方向で話しあって、終わりました。
最後は短い、話し合いでした。
もう受け入れるしかない
私はその後の自分の気持ちがどうなるかがわかりませんでした。
もっと苦しむのかもしれないと思うと、怖く感じていました。
最初は心が重かったような気がしますが、半年、1年、経つうちに、だんだん考えなくなってきました。
諦めに慣れてしまったのでしょうか。
3人家族であるのが長く自然になってきたからでしょうか。
外ですれ違う親子の子供の数を確認してしまったりはするけれど、(不妊通院中もでしたが)特別羨ましいと思うことはありませんでした。
うちは1人なんだ。もう受け入れるしかないんだと思います。
手に入らないものはあるのです。
代わりに得たもの
子ども”たち”に囲まれる人生は体験できそうにもないですが、代わりに「子ども1人だからできること」にしていきました。
4歳クラスからは違う自治体に暮らしていても保育園には通える制度を利用して、「家」を探すことにしました。
幸いにもとてもいい出会いをしました。子供が1人にはちょうどいい間取りでした。
子供が2人いたら諦めていた間取り。広い。値段も良い。場所も良い、2人ともピンときている。老後子供が巣立っても無駄に部屋も余らない。
もしもう1人生まれたら部屋の割り振り困っちゃうな、と思いましたが、困ったら困ったで良いことですね。
さらに幸運なことに、家から最も近い保育園で空きがでて、無事転園もできました。
息子は走り回れる広い部屋で、元気に暮らしています。
でも、諦めてはいない
私はそろそろ42歳にはなりますが、絶対にもう生まない、とは思っていません。
もし良い条件が重なったら、また挑戦したいなと思っています。
残念なことに夫が仕事中倒れてしまいそれどころではないなど、逆の状態になってしまいましたが、可能性はゼロでもないし、まだ夢を見ています。
ただ、あまり考えすぎないようにしています。
私は現実に負けてしまった。それを乗り越える努力で叶えることはできたかもしれないけど、それはできなかった。そのための頑張りがあまりにも壁が高くて私は諦めてしまった。
でもそれも私であり、私の人生であり、いつか子どもではない違うことで花開くかもしれません。
息子のサイズアウトした服は、すべて処分せずクローゼットにしまってあります。
本当に諦めるしかなくなったときまで、おやすみなさい。
一人っ子であることに悩む親は多い
子供は1人じゃ可哀想。
そんな考えが、一人っ子の親を苦しめるんでしょうか。
誰からか言われなくても、自分で思ってしまうのでしょうか。
産む産まないは自由であり、子供の数は他人がどうこういうものでもありません。
何人産むと決める必要もないし、決めて守る必要もありません。
産みたいと思って産めるわけでもありません。
「一人っ子であることに悩む親が多い」と見出しには書きましたが、何人でも同じです。
子供の数に悩まなくなるのは3人以上産む親に見られる傾向なんだそうです。
自然と数を増やそうとするのが生物の性なのでしょうかね?
一人っ子であることをあえて選ぶ親もいれば、諦める親もいれば、どっちの気持ちの親もいるでしょう。
自分は欲しいけどパートナーが欲しいと思わない、もいるでしょう。
理想と現実の間に揺れて、なにが幸せなのかわからなくなっていくのでしょう。
考えることに疲れて、良い理由を盾に立ち上がる人も多いでしょう。
一度「一人っ子親だけのオフ会を作りたい」とTwitterでつぶやいたところ「参加したいです」という声をたくさんたくさんいただきました。
みんな悩んだり、本当は欲しいんだけど、でも、いや、だけど、でも、聞いて、聞きたい、私は……そう思いながら頑張って育てていることなんでしょう。
同じ気持ちの人と、話して共感しあえば、また明日頑張れる気がする。
お互い慰め合って、励まし合って、自分だけじゃないんだと思うことで、心がキュッとなる状態を少し和らげて受け止めることができる。
是非に開催したい気持ちなんですが、私なんか主催でもゴニョゴニョと思ってしまうので、誰かやってくれませんかね(他力本願)…。
リアルではなくオンラインチャットでも良いですよね、そっちのほうはリアルな声になったりしてね。
私は、もう1人、子供が欲しい。
本当は欲しい。
こんな可愛い子供がもう1人いたらと思わずにはいられない。
でも「息子が1人で幸せですか?」と聞かれたら、即答で「はい」と言うことはできます。
1歳頃の息子。このころはぼんやりもう1人産むのかなって考えていた。
ブログのタイトルを「息子ひとりと3人暮らし」に変えました。これから親子3人で仲良く生きていきます。

【書いている人】名前:もこFollow @mokomokomemo
2015年秋生まれの世界一可愛い男の子がいるフルタイム共働き会社員。36才で妊娠・高齢出産。多分一人っ子のまま(T-T)お仕事大好きだが小1の壁に勝てる気がしない。夫は年下。実家・義実家遠方。都内暮らし。